アフリカ(ルワンダ)を知るための50章

24歳青年が、アフリカに関するあれこれを発信

今週のアフリカ 10月27日土曜~11月4日日曜

今週(10月27日土曜~11月3日日曜)のアフリカで起きたビッグニュースを紹介!

 

10月27日 【エチオピアにて初の女性大統領が誕生】

アフリカ東部のエチオピアにて、初の女性大統領が誕生した。

名前は Sahle-Work Zewde(ゼウデ大統領)である。

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25日の選挙にて大統領に選出されたゼウデ新大統領。「ガラスの天井」を破れるか。

彼女の経歴について紹介しよう。

 

彼女は1950年にエチオピアの首都アディス・アベバに生まれ、母語のアムハラ語に加え、英語やフランス語に堪能。大学卒業後は外務省に入省し、1989年には西アフリカ・セネガルにて外交官として働く。その後はパリやジブチなどでも外交官として働き、国連PKO(平和維持活動部隊)の一員としても活躍を重ねてきた女性だ。

 

”アフリカ”というと男性的な社会との印象が強いが、女性大統領も存在する。

その筆頭がEllen Johonson(エレン・ジョンソン)氏だろう。彼女は2006年に、数十万人の犠牲者を生んだリベリア内戦直後のリベリアを牽引し、ノーベル平和賞を受賞。同国にて経済発展・和解・平和構築に尽力してきた人物である。

 

次はアフリカ×ジェンダーについてみてみよう。

 

スイスの国際機関「世界経済フォーラム」が発行しているデータ(2015年度)

によると

 

 6位  ルワンダ

17位  南アフリカ

27位  モザンビーク

48位  ケニア

63位  ガーナ

101位  日本

124位  エチオピア

 

 となっている。特に6位のルワンダは驚異的である。なにせ国会議員の半分以上が女性なのだから。

Global Gender Gap Report 2015 - Reports - World Economic Forum

 

ジェンダーという観点からすると、日本はアフリカの国から学ぶべきところもあるかもしれない。

 

現在エチオピアエスニックグループ間の武力衝突や隣国エリトリアとの関係改善など、課題が山積している。ゼウデ大統領がどこまで手腕を発揮して、これらの問題に解決していくか、期待である。喜ばしいニュースだ。

 

 

 

10月31日【南スーダン マシャール副大統領が平和合意履行のため、首都に帰還】


Map of South Sudan

2年間国を離れていた副大統領が、10月31日に帰国し、キール大統領と平和協定について話し合う予定だ。

 

副大統領が自分の国から

2年も離れていたとはどういうこと?

 

という人に対して説明しよう。

 

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左:キール大統領 右:マシャール副大統領 両者とも大量虐殺に関与している 

 

 

南スーダンは2011年にスーダンから独立した後、2013年から大統領派と副大統領派の間で激しい戦闘が続いていた。この紛争ではおよそ40万人が犠牲となり、数百万人が家を追われている。(国際社会で注目を浴びているシリアにおける紛争よりも犠牲者は多い)

こうした絶望的な状況から一転、今年の8月、大統領と副大統領が平和協定にサインし、停戦合意が結ばれる事となったのだ。平和協定によるとマシャール氏は5人分ある副大統領のポストのうちの、一つに就く事となっている。

 

ポイントは今回の停戦合意がどこまで持続的かということでろう。

情勢が90年代と比べると安定してきてる昨今のアフリカだが、南スーダンソマリアコンゴ民主共和国中央アフリカ共和国などは治安が極端に悪く、反政府軍はもちろん政府軍までが人権侵害・人道に対する犯罪(虐殺・性暴力)を犯している。例えばコンゴ民主共和国では〇〇年に停戦合意が結ばれたが、ものの数時間で敗られ、戦闘が再開した。また南スーダンにおいても2015年にIGADの仲介により平和合意が結ばれかけたが、翌年に状況が悪化したとにより、平和合意は実現しなかった。

 

極端に情勢が流動的な南スーダンで、今回の停戦合意・平和合意が永続的なものになればいいのだが、どうだろうか・・・?

 

また仮に平和合意が持続的なものになっても、大統領と副大統領らが犯した罪を裁判に問うことができるのだろうか。また紛争の被害者・加害者間での和解は実現可能だろうか。南スーダンが抱える課題は世界で一番重いのかもしれない。

 

 

 10月31日【ルワンダ、”中国のアマゾン”アリババと通信世界協定を結ぶ】

 

 

 

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10月31日 東アフリカ・ルワンダにて、アフリカ発の通信世界協定(原語:Electronic World Trade Platform )が開催され、ルワンダを始めにアフリカ各地でのビジネスの活性化を図る模様だ。

ルワンダのポール・カガメ大統領はアリキバグループの幹部とセレモニーに出席し、ルワンダと中国の電子取引の強化、ルワンダへの観光客数の増加、同国の経済発展に強い期待を示した。

 

「我々は未来に向けての新たな枠組みや・世界貿易推進を推進するための基盤を作っているのだ」とカガメ氏は語り、ルワンダのビジネスマンに今回の協定からビジネスチャンスを得る事を呼びかけた。

 

 

ルワンダは東アフリカの小国であり、資源もほとんどないことからに知識集約型の経済体制への移行を試みている。今回のニュースもその一連の流れだ。

 

ルワンダは1994年に勃発した未曽有の大量殺戮(ジェノサイド)から回復の途上にあり、現在アフリカ大陸でもっとも経済成長著しい国である。”ホテル・ルワンダ”や”ルワンダの涙””といった映画が有名である。個人的にはルワンダの涙がおすすめである。